鴨居の「しぶしち」と「ごぶしち」
鴨居の「しぶしち」と「ごぶしち」は、敷居や鴨居の溝の寸法を表す建築用語です。これらは建具の厚みに合わせて使い分けられます。
鴨居と敷居の溝の寸法
しぶしち(四七)
「四七」は、溝の幅が7分(約21mm)で、溝と溝の間の凸部(中樋端または島)が4分(約12mm)の寸法を指します。これは、厚さ1寸(約30mm)の建具(特に障子やフラッシュ戸)を使用する際に一般的な寸法です。関東地方でよく使われる慣習とされています。
ごぶしち(五七)
「五七」は、溝の幅が7分(約21mm)で、溝と溝の間の凸部(島)が5分(約15mm)の寸法を指します。これは、厚さ1寸1分(約33mm)の建具に対応する場合に使われます。
さんぶしち(三七)
「三七」は、溝の幅が7分(約21mm)で、溝と溝の間の凸部(中樋端または島)が3分(約9mm)の寸法です。これは主に襖(ふすま)に使用される寸法です。襖の厚みは通常、三七の溝に対応できるように約27mmとなっています。
これらの寸法は、建具と建具の間に約1分(約3mm)の隙間ができるように設計されており、大工と建具屋の間で共通の認識として使われています。
鴨居の構造と種類
鴨居は建具の上枠として内法高さに取り付けられ、通常は襖や障子を建ち込めるための溝が彫られています。下部の敷居と対になっており、鴨居の溝に先に戸を差し込んでから敷居にはめることでスムーズに取り付けが可能です。
鴨居には機能や構造によっていくつかの種類があります。
無目鴨居(むめかもい) 溝がなく、障子や襖などの建具を入れない場所に化粧材として取り付けられます。通路や建具のない開口部の上部、垂れ壁や小壁の下端などに用いられることが多いです。
薄鴨居(うすかもい) 溝が浅く、欄間などを差し込むために使う鴨居です。
指鴨居(さしがもい)/ 差鴨居(さしかもい)鴨居自体が柱と柱の間をつなぐ構造材としての役割も持つ鴨居です。木材を接合するための突起(ほぞ)を両端の柱に差し込んで使われます。構造的な強度を持ち、広間などの大きな開口部に用いられることが多く、耐力壁や筋交いがなくても地震などの横揺れに耐えられる構造を実現できます。
付け鴨居(つけかもい) 開口部ではない壁面に、開口部と同じ高さで取り付ける鴨居に似せた化粧材です。構造的な機能はなく、装飾部材として用いられます。かつては和室の「格」を表すもので、武家のみに許された様式でした。
鴨居に用いられる主な木材
鴨居には、その加工のしやすさや耐久性から、特定の木材がよく使用されます。
杉(スギ) 日本の家屋と相性が良く、加工がしやすいため古くから鴨居に用いられてきました。
欅(ケヤキ) 特に差鴨居のような構造材を兼ねる鴨居に使用されることがあります。木目が美しく、強度と耐朽性に優れているため、日本の広葉樹材の中で優れた材とされています。
集成材もよく使われます。






































